2023/7/1(土)15:00 開演(14:30 開場)
神奈川県立音楽堂 ホール
全席自由・税込 一般 2,000円 シルバー(65歳以上)1,500円
U24(24歳以下)1,000円 高校生以下無料
車椅子席 2,000円(付添席1名無料)
KAme先行:2023/4/22(土) 一般発売:2023/4/23(日)
*未就学児の入場はご遠慮ください。
*シルバー、U24、高校生以下、車椅子(付添)は、チケットかながわのみで取扱い。無料券も含め、枚数限定、要事前予約。引き取り方法により手数料がかかります。
*営利目的の転売禁止。
チケットかながわ 0570-015-415(10:00~18:00)
神奈川県立音楽堂(指定管理者:公益財団法人神奈川芸術文化財団)
公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション
開場・開演に合わせてJR桜木町駅から無料シャトルバス運行
予約不要・運賃無料でJR桜木町駅前バスターミナルからシャトルバスを運行します。
乗り場はこちらをご覧ください。公演によって運行時間が異なります。
本公演の桜木町駅発車時間:①14:20 ②14:45
有料託児サービスあり
イベント託児マザーズ
TEL.0120-788-222(土日祝日をのぞく10:00~12:00/13:00~17:00)
有料・公演1週間前までに要事前予約
『流体』をテーマとし、様々な種類の液体や絵の具などの流体状の素材を使った映像のライブ・パフォーマンスと、ギター、パーカッションや種々の非楽器オブジェクトにより生み出される音響素材とを組み合わせた、音響と映像のコラボレーション。各素材や要素が拮抗、融和、反発などの反応を起こしつつ存在し、音楽と映像の狭間を流動的に行き来するような、舞台作品でありながらも空間全体の演出を試みます。
『流体』とは何か、という問いを超え、日常生活や社会、自然、世界の情勢など、我々を取り巻く環境へ目を向け、全てが互いに影響し合い存在している事実へと想いを馳せて。
「交差」の意味を持つCrossingsは、作曲家である東俊介、森紀明、映像作家の中村光男、美術家でデザイナーの山田サトシをファウンディング・メンバーとして2018年に設立。日本を中心とした様々な国や都市をより大きな視点から「一つの地域」として捉え直し、芸術における地域の枠組みの拡大と、ジャンルにとらわれない新たな表現の可能性を示す意欲的な試みと作品発表を行う。
ギターや声、自作楽器を用いたパフォーマンスのほか、演劇、ダンス、インスタレーション制作など広範囲に活動。これまでに第20回朝日現代音楽賞、第75回文化庁芸術祭優秀賞(レコード部門)、第76回文化庁芸術祭大賞(音楽部門)、第21回佐治敬三賞を受賞。レコードレーベル「blue tree」主宰。
東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。現代音楽演奏コンクール「競楽」本選出場。第37回日本管打楽器コンクール、パーカッション部門第1位。「トリオ・ループ」「LA SEÑAS」メンバー、「Drop Jazz Orchestra」リーダー。(株)こおろぎ社 neoria 契約アーティスト。
作曲家、メディアアーティスト。作曲及び音響技術、コンピュータ音楽を土屋雄に師事。コンピュータを中心とした作曲活動のほか様々な電子作品のオペレータを担当する。主要な作品は日本をはじめ、オランダ、ドイツ、韓国などで演奏されている。近年はセンサーを活用した電子楽器の研究を行っている。東京音楽大学非常勤講師。
どこまでが独奏なのか?
演奏するとはどういうことか?
独奏コントラバスのための3つの作品を演奏し、「独奏」「演奏」の核心に迫ります!
【山本昌史:REAL TIME】
事前録音の音源との掛け合いで生じる演奏動作との不調和アンサンブル
【シモン・ステン=アナーセン:Self-reflecting Next To Beside Besides】
映像の中でコントラバスとカメラを演奏する自分とのバーチャルトリオ
【ピエール・ジョドロフスキ:TOUCH】
一人で全て制御可能なエレクトロニクスを伴うコントラバス独奏曲 椅子、PC、コントラバス、マイクが存在する小さな円形の空間で、演奏者がエレクトロニクスを制御し始めたとき、そこに音楽が現れる
コントラバス奏者。現代作品、即興演奏に意欲的に取り組む。独奏による新たな音楽表現を追求し、バロックから現代までの独奏曲、自作の実験的音楽など、趣向を凝らしたプログラムを展開。2022年9月に現代作品のみの独奏公演を開催、佐治敬三賞推薦コンサートにも選出され、好評を博す。また、作曲家ピエール・ジョドロフスキ氏より招聘を受け、ポーランド・ワルシャワでの公演を成功させるなど、活躍の場を広げている。
「ぬ」、私たちはひとりひとり違う「ぬ」をもつ
「ぬ」、それはどこか切迫した緊張をもつ
「ぬ」、それはゆっくりとした大きな渦を描く
そんな古代語の「ぬ」が音楽と出会うときを、作曲家小倉美春が掬ってみました。
「ぬ」を書いてみましょう。「風立ちぬ」の「ぬ」です。
「ぬ」の記憶に入り、「ぬ」の息づかいを聴き、たくさんの「ぬ」を音楽をとおして生きてみる、そんな企画です。
※ワークインプログレス出演:小倉美春、上條 晃
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あなたの「ぬ」を教えてください!
あなたの「ぬ」が採用されるかもしれません!
「ぬ」アンケート https://forms.gle/zKQ9mc6DocKNXas98
そしてあなたの「ぬ」を当日ホワイエで書いてください!
ドイツ・フランクフルトを拠点とするピアニスト・作曲家。2023年メシアン国際ピアノコンクールにて第2位・メシアン作品最優秀演奏賞を受賞するなど、ピアノと作曲の両方で入賞多数。2024年にはラジオ・フランス及びヴェネツィア・ビエンナーレからの委嘱作品を発表予定。2023年度ロームミュージックファンデーション奨学生。
写真クレジット:Sho Kubota
東京音楽大学付属高等学校国語科教諭。歌人。東京外国語大学外国語学部(ドイツ語専攻)、同大学院地域文化研究科修了。研究課題は一般教科と音楽の架橋。「古代語の「ぬ」と演奏 ― 東京音楽大学付属高等学校における国語教育の試みと展望 Ⅱ― 」(東京音楽大学研究紀要第 46 集)。短歌を馬場あき子に師事。
マキシマム電子合唱団は、マキシマムが開発するさまざまな創作楽器を操りながら演奏するエレクトロニクスと生楽器が融合した合唱団です。合唱メンバーは、楽器演奏のエキスパート達で構成され、一人一人が歌と楽器を交互に演奏し、発声法についても演奏者それぞれの声の個性を重視した発声や、演奏者から電子音などが出るウェアラブルセンサースピーカー、特殊音律調整装置などのエレクトロニクス創作楽器を用いることで新しい表現方法を探求します。
※ワークインプログレス出演:磯部英彬、星谷丈生、今井貴子(フルート)、高瀬真吾(打楽器)
マキシマムは、作曲家、楽器製作者である磯部英彬が主催するエレクトロニクスとアコースティック楽器による可能性を探究する団体です。新しい楽器を発明、または既存楽器を改良してこれまで計8回のコンサートを開催し、様々な音楽家との協働作業を行ってきました。近年は、作曲家 星谷丈生とともにIsobe-RailやHoshiya-Boardなどを開発。また2023年8月から学校教育向けのICT活用セミナーも行っています。
写真左:磯部英彬、写真右:星谷丈生
本年度は、応募数こそ多くなかったものの、内容としては過去にない激戦でした。審査員のなかでも様々な意見がとびかい、結果が二転三転したというのが正直なところです。いずれにしても、われわれが求めているのは、ファンダメンタルなあたらしさ、に他なりません。審査にあたっては、単に「現代音楽を演奏する」というだけでなく、そして単に「音楽と他の要素を足す」だけでもなく、表現のなかに根本的な問いかけがあるかどうか、という点を何よりも重視しました。
「おんがくが『ぬ』とであふとき」が優れていたのは、ひとつのひらがなの中に、日本と西洋をめぐるアイデンティティの闘争、そして時間と空間といったシリアスな問題を封じ込め、さらに観客をも巻き込んだ多層的なリアリゼーションが計画されている点でした。ただし、未知数・未完成な部分がまだまだ多く、これが本当に面白く充実したものになるのかは、今後のブラッシュアップ次第でしょう。
一方で「マキシマム電子合唱団」が優れていたのは、合唱団のメンバーに電子デバイスを装着させることによって、アンサンブル、声楽・器楽、身体と機械、といった、古くて新しい概念を再検討しようとする点にあります(「磯部マイク」といった用語の微妙なユーモアもプラスに働きました)。もちろん、一歩間違うと、ただの「ゲンダイオンガク」になってしまう可能性もなくはないのですが、こちらの企画についても審査員一同、可能性の側に賭けました。
ワークイン・プログレス、そして本番の日を楽しみにしています!
この度の「紅葉坂プロジェクト」には沢山の応募があり、まずは応募企画の意図を真摯に受け止め、行動に移してくれた応募者の方々に御礼を述べたい。そして、選出された二組のアーティストにはお祝いの言葉を送りたい。審査はこういう場合には大変珍しく満場一致で決まった感がある。他審査員の先生方の意見はその全てが納得の行くものであり、大変気持ちの良い審査会であった。満場一致といっても他の応募と大きな差があったわけではない。最後は甲乙付け難い中から選ばせて頂いた。選出された二企画に関しては、他の先生方からその選出理由、期待度などが語られることだろう。私もほぼ同意見であると思うので、ここでは選出に漏れた団体について、また、総括的なことを書いてみたい。
応募は古楽、民族音楽、邦楽などから現代音楽にまで多岐に渡ったが、その中にモノオペラというかたちで、これからのオペラの向かう方向を暗示させるような作品があった。ピアノ作品との抱き合わせでの応募であったが、両方とも本物の個性を伴った極めて秀逸なものであった。シュトックハウゼンの大作に挑もうとする企画もあり、これも聴いてみたかったと思う。やはりクラシック音楽ホールでのこのような企画では、応募の主流は現代音楽ということになろうが、「新しい視点」が、これまでの現代音楽の流れに則り一歩踏み出した新しさなのか、大きく逸脱した新しさなのかは、どうしても問われてしまう。そして、革新的なことには大抵他ジャンルの力を借りることになるが、それが単なるコラボレーションに終始してしまうかどうかは、そのアーティストが音楽人生の中で自身と音楽をどのくらいよく見つめ、ブレずに向き合っているかにかかっているのではないかという思いを強くした。この審査の機会を与えられたことによって、とてもフレッシュな、最先端の音楽的アイディアを知る事ができたことに感謝したい。
「おんがくが『ぬ』とであふとき」 何より、日本人としてのアイデンティティとしての「ぬ」という着眼点が興味深い。西洋音楽における日本の在り方に留まらず、ここから日本の本来の姿の核心に迫って欲しい。
「マキシマム電子合唱団」 昔のSFのように、未来を感じさせつつ、同時に人間臭い魅力を持ち合わせていると感じた。どうなるかわからないワクワク感が並外れている!
「もう、新しい事なんて何もない」。これは音楽だけでなく、すべての表現ジャンルがその言葉の前に立ちすくむ不都合な真実である。特に音楽はその先陣を切っており、無音、ノイズ、チャンス・オペレーション、電子音楽ありの「破壊と再生」は、ご存じの通りすでに芸術の殿堂入り。そんな状況下での「新しいこと」「聴いたことのないクリエイティヴ」の判断基準は何かと言えば、それは時代性にほかならない。時代と環境で人々の「耳」は変化し、クラシック音楽の演奏レベルでも、それが要求されているのが今、なのだ。
今回選ばれた2作品は、Youtubeやサブスクで膨大な音楽を大衆レベルが享受し、魅力的なバーチャルコンテンツの前に身体や人生が無化してもオッケーという感覚、自由よりも管理を求める心証など、従来的な人間性というものが揺らいでいるこの大変化期に生きる私たちの「耳」に対して、図らずも意識的な表現を備えている。
「おんがくが『ぬ』とであふとき」は、「ぬ」という発語を深掘りし、そこに音楽的なイマジネーションを加えていく作品で、コミュニケーション上に、すでに人々に膨大な「経験」がある一音を通じて世界を感じるというクリエイティヴな試み。漫画「北斗の拳」でお馴染みの「ひでぶ」という断末魔の擬音表記に心を動かされた大衆のセンスともシンクロし、ユーモアもある。
「マキシマム電子音楽」は、今後の演奏形態で多分、強度を増していく予感のある合唱を、電子デバイス付き身体という「分かりやすいハイブリッド」で表現。アイディアの新規性にのみ囚われずに、合唱音楽が潜在的に持ち続けている、匿名性と集団的陶酔感などの「魔力」が、この企てを経て浮き彫りになる現場を期待したい。
ちなみに、審査のポイントとして掲げられているのは、「クラシック音楽の常識、音楽の概念そのものを転回するアイデアである」ということだが、そこと格闘したというよりも、公募の予定調和とクリシェ(紋切り型)でこなした感がある作品も目立った。鑑賞者のセンスと知見の方が、創り手を遙かに凌駕している今、発表会ではなく、強度と魅力のある作品を世に出す意思に期待したい。
カーテンコールより。2組の企画ユニットのメンバーが勢ぞろい。
小倉美春、上條晃は、古代語の「ぬ」という言葉の概念を、
音楽の分野にどのように取り入れるか、について取り組む。
ぬ」がもつ「時間的な感覚」の、時代による捉え方の変遷を交えつつ、ひらがなの「ぬ」を書く動きやリズムについても分析。
ワークインプログレスのために作曲された小倉美春の自作「ゆがむ『ぬ』、その回転」を、「ぬ」を意識しない演奏、意識した演奏の2パターンで披露。
本公演では、ソプラノ、テノール、ヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、トロンボーン、
アコーディオンなど、さまざまな編成の作品で、「ぬ」と対峙する。
マキシマム(磯部英彬、星谷丈生)は、自作の電子デバイスを用いた
「マキシマム電子合唱団」を企画。
歌唱できないような微分音程(半音よりさらに細かく分割した音程)を
正確に歌えるよう、歌った声の高さをマイクを通して自動的に補正する
Isobe Tuneなどのデバイスを用いた作品の一部を演奏。
フルート:今井貴子、打楽器:高瀬真吾。
(磯部英彬:電子合唱団と複数の楽器のための《幸せの缶詰》より抜粋)
音楽堂舞台の木目模様をAIで映像化し、あえて音楽堂の舞台へ投影。
ゆっくりと木目が動いていくさまを、指揮として活用。
(星谷丈生:電子合唱団と複数の楽器のための《菩提樹の詩》より抜粋)
本公演では、さまざまな楽器のスペシャリストたちが、楽器演奏に加えて、
電子デバイスを装着しての合唱に挑む!
舞台を熱心に見つめる沼野雄司委員長、濱田芳通委員、湯山玲子委員。
各企画者へ、熱い激励のメッセージが送られた。
神奈川県立音楽堂の企画公募プログラム「紅葉坂プロジェクト」は、プロの音楽家のみならず、また演奏家、作曲家、プロデューサーかを問わず、70年の歴史を持つ音楽堂を舞台に、広く音楽の未来を切り開こうとする企画案を公募するものです。
2024年、音楽堂70周年の記念すべき年に、あなたの企画で、これまでの音楽の景色を変えてみませんか。
委員長 沼野雄司
(音楽学者/神奈川県民ホール・音楽堂芸術参与)
委員 濱田芳通
(古楽アンサンブル《アントネッロ》主宰、指揮、リコーダー、コルネット)
委員 湯山玲子
(著述家、プロデューサー、おしゃべりカルチャーモンスター)
音楽大学卒業または同程度の実力を有する方から、プロとして活動している方まで
音楽、もしくは音楽を基軸とした他の芸術(美術や演劇、ダンス、映像、文学等)とのコラボレーションによる表現とします。
(いわゆる現代音楽企画に限りません)
募集要項は、以下からダウンロードいただけます。
2023年10月1日(日)~2023年11月20日(月)必着
※11/20は休館日のため、お問い合わせはお早めにお願いいたします。
2023年12月15日(金)
〒220-0044 横浜市西区紅葉ケ丘9-2 神奈川県立音楽堂
ongakudo_oubo@kanagawa-af.org
「新しい視点」紅葉坂プロジェクト 企画募集係
TEL: 045-263-2567(火-日:9:00~17:00)
神奈川県立音楽堂(指定管理者:公益財団法人神奈川芸術文化財団)
※Vol.2で実施した募集要項説明会・施設見学会は、都合により今回は実施いたしません。